前回単焦点のサイズ比較とズームレンズのサイズ比較を行いました。
今回は寄れない寄れないとよく耳にする(私感です)富士フィルムのXマウントレンズですが、実際どこまで寄れるのかそれぞれ表にしてみました。近くに寄ってくる子供を取る場合にネックとなる事もありますし、花や小さな被写体を上手く撮るにも寄れるに越したことはありません。単焦点とズームレンズを分けていますので、それぞれ参考にしてみてください。
※メーカーページでは「cm」表記と「m」表記が入り交じり、わかりにくかったので全て「cm」表示に直しています。それとマクロ切り替えが必要なレンズはマクロでの数字を取っています。
Xマウント単焦点レンズ 最短撮影距離比較
まずは単焦点を比較してみます。上から寄れる順です。右側に最大撮影倍率もありますので参考にしてください。
レンズ名称・イメージ | 最短撮影距離(全てマクロ側の数字) | 最大撮影倍率 |
---|---|---|
XF16mmF1.4 R WR |
15cm~∞ | 0.21倍 |
XF16mmF2.8 R WRNEW |
17cm~∞ | 0.13倍 |
XF14mmF2.8 R |
18cm~∞ | 0.12倍 |
XF18mmF2 R |
18cm~200cm | 0.14倍 |
XF23mmF2 R WR |
22cm~∞ | 0.13倍 |
XF80mmF2.8 R LM OIS WR MacroNEW |
25cm~∞ | 1倍 |
XF60mmF2.4 R Macro |
26.7cm~200cm | 0.5倍 |
XF23mmF1.4 R |
28cm~∞ | 0.1倍 |
XF35mmF1.4 R |
28cm~200cm | 0.17倍 |
XF27mmF2.8 R WRNEW |
34cm~ | 0.1倍 |
XF35mmF2 R WR |
35cm~∞ | 0.135倍 |
XC35mmF2NEW |
35cm~ | 0.14倍 |
XF50mmF2 R WRNEW |
39cm~ | 0.15倍 |
XF90mmF2 R LM WR |
60cm~∞ | 0.2倍 |
XF50mmF1.0 R WRNEW |
70cm~ | 0.08倍 |
XF56mmF1.2 R APD XF56mmF1.2 R |
70cm~300cm | 0.09倍 |
富士フィルムXF単焦点レンズで一番寄れるのはXF16F1.4の15cm~。このF値でここまで寄れれば色々とはかどりそうです。ここまで寄れれば被写体を置きながら背景をがっつり入れた構図が面白そうです。
2番手は同じ画角のXF16mmF2.8 R WR。
3番手は同率でXF18とXF14がランクイン。どちらも18cm~となります。次のXF23mmF2 R WRは比較的寄れて価格もお手頃、しかも防水付きと万能でおすすめですね。
逆に広角で寄れないのがXF23F1.4やXF27です。このあたりはテーブルフォトなど比較的寄れなさを感じる場面があるかと思います。
Xマウント単焦点レンズ最大撮影倍率比較
つぎは最大撮影倍率での比較です。先ほどは単純に被写体との物理的な距離でのランキングでしたが、最大撮影倍率は被写体をどのぐらい大きく撮れるかの違いとなります。次はこの最大撮影倍率順で並べてみます。
XF23のように広角なのに寄れず、あまり被写体を大きく撮れないレンズと、XF60のように被写体との距離はある程度ありますが、望遠のため被写体を大きく撮れるレンズがあります。この比較をしやすいのが最大撮影倍率です。この値が大きいほど被写体を大きくとらえられるという事です。
レンズ名称・イメージ | 最大撮影倍率 | 最短撮影距離(全てマクロ側の数字) |
---|---|---|
XF80mmF2.8 R LM OIS WR MacroNEW |
1倍 | 25cm~∞ |
XF60mmF2.4 R Macro |
0.5倍 | 26.7cm~200cm |
XF16mmF1.4 R WR |
0.21倍 | 15cm~∞ |
XF90mmF2 R LM WR |
0.2倍 | 60cm~∞ |
XF35mmF1.4 R |
0.17倍 | 28cm~200cm |
XF50mmF2 R WRNEW |
0.15倍 | 39cm~ |
XF18mmF2 R |
0.14倍 | 18cm~200cm |
XC35mmF2NEW |
0.14倍 | 35cm~ |
XF35mmF2 R WR |
0.135倍 | 35cm~∞ |
XF16mmF2.8 R WRNEW |
0.13倍 | 17cm~∞ |
XF23mmF2 R WR |
0.13倍 | 22cm~∞ |
XF14mmF2.8 R |
0.12倍 | 18cm~∞ |
XF23mmF1.4 R |
0.1倍 | 28cm~∞ |
XF27mmF2.8 R WRNEW |
0.1倍 | 34cm~ |
XF56mmF1.2 R APD XF56mmF1.2 R |
0.09倍 | 70cm~300cm |
XF50mmF1.0 R WRNEW |
0.08倍 | 70cm~ |
最大撮影倍率で見るとXF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroは断トツで優秀です。次いでマクロのXF60ですね。さすがといったところですが、これがマクロレンズの仕事ですからね。
マクロ以外で倍率が高いのがXF16mmF1.4 R WRやXF90mmF2 R LM WR。高いレンズだけあってこういったところでも強いです。
Xマウントズームレンズ 最短撮影距離比較
次はズームレンズの比較をしていきます。
レンズ名称・イメージ ※リンク付き |
最短撮影距離(全てマクロ側の数字) | 最大撮影倍率 |
---|---|---|
XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZNEW |
広角:13cm-∞ 望遠:35cm-∞ |
0.24倍(W端) |
XC16-50mmF3.5-5.6 OIS II |
15cm~1000cm(W端) 35cm~1000cm(T端) |
0.2倍(W端) |
XF10-24mmF4 R OIS |
24cm~∞ | 0.16倍(T端) |
XF8-16mmF2.8 R LM WRNEW |
25cm~ | 0.1倍(T端) |
XF16-55mmF2.8 R LM WR |
30cm~1000cm(W端) 40cm~1000cm(T端) |
0.16倍(T端) |
XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS |
30cm~1000cm(W端) 40cm~1000cm(T端) |
0.15倍(T端) |
XF16-80mmF4 R OIS WRNEW |
35cm〜∞ | 0.25倍(T端) |
XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR |
45cm~∞ | 0.27倍 |
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR |
100cm~300cm | 0.12倍(T端) |
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS |
110cm~300cm(ズーム全域) | 0.18倍(T端) |
XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II |
110cm~300cm | 0.2倍(T端) |
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR |
175cm~∞ | 0.19倍(T端) |
結果はこの通り。もちろん50mmから始まるズームは寄れないですが、中でもXF18-135mmF3.5-5.6が45cm~と比較的寄れない結果に。意外にもXCレンズのXC15-45mmF3.5-5.6が13cm~と単焦点で一番寄れるXF16F1.4と並ぶ結果に。けっこう出来る子なのが証明されました。次いで二番目はこちらもXCレンズのXC16-50mmF3.5-5.6の15cm~。三番目はXF10-24mmF4の24cm~という結果でした。
Xマウントズームレンズ最大撮影倍率比較
続いてズームレンズの最大撮影倍率を比較します。ただし一部のレンズでメーカー表記がW端のものと、そもそも書かれていないものがあります。
そのため一部モデルはW端かT端か分かりませんが、メーカー公表の数字をそのまま使い検証します。
レンズ名称・イメージ ※リンク付き |
最大撮影倍率 | 最短撮影距離(全てマクロ側の数字) |
---|---|---|
XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR |
0.27倍 | 45cm~∞ |
XF16-80mmF4 R OIS WRNEW |
0.25倍(T端) | 35cm〜∞ |
XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZNEW |
0.24倍(W端) | 広角:13cm-∞ 望遠:35cm-∞ |
XC16-50mmF3.5-5.6 OIS II |
0.2倍(W端) | 15cm~1000cm(W端) 35cm~1000cm(T端) |
XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II |
0.2倍(T端) | 110cm~300cm |
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR |
0.19倍(T端) | 175cm~∞ |
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS |
0.18倍(T端) | 110cm~300cm(ズーム全域) |
XF10-24mmF4 R OIS |
0.16倍(T端) | 24cm~∞ |
XF16-55mmF2.8 R LM WR |
0.16倍(T端) | 30cm~1000cm(W端) 40cm~1000cm(T端) |
XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS |
0.15倍(T端) | 30cm~1000cm(W端) 40cm~1000cm(T端) |
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR |
0.12倍(T端) | 100cm~300cm |
XF8-16mmF2.8 R LM WRNEW |
0.1倍(T端) | 25cm~ |
Xマウントのズームレンズで一番倍率が出せるのはXF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRとなりました。最大倍率0.27倍で単焦点のマクロレンズに次いでの倍率となります。このモデルのみメーカー公表にW端ともT端とも記載がありませんが、このモデルの最短撮影距離は45cmからなのでさすがにT端での数字かと思います。
二番手は最近出たXF16-80mmF4 R OIS WRの0.25倍です。F4通しなのが残念ですが、人気があるXF18-55mmF2.8-4 R LM OISの兄貴分的なレンズで私も気になっているモデルです。
やはりここでもXCレンズは意外と優秀で上位に付けています。
以外だったのがXF18-55mmF2.8-4 R LM OISで、人気があるレンズですが、最短撮影距離でも倍率でも物足りない結果となりました。それ以外では申し分ないレンズですけどね。
まとめ
以上Xマウントレンズの最短撮影距離と倍率比較でした。普段持ち歩く場合でも意外と近くてピントが合わない場合はよくあります。よくテーブルフォトを撮る方などは参考にしてみてください。
また、マクロレンズも80mmが追加され、より一層Xマウントレンズの幅が広がりました。
ちなみに今お持ちのXマウントレンズをエクステンションチューブを使いマクロ対応させる方法もあります。気になる方はチェックしてみてください。